Codexで3Dモデルを作る使い方|Blender連携と確認手順

Codexで3Dモデルを作る使い方|Blender連携と確認手順

Codexで3Dモデルを作るときは、形を文章から直接出すのではなく、Blender用のPythonコードに寸法や命名規則を落とし込み、実行結果を人が確認する進め方が現実的です。2026年7月23日の複数フォルダー対応により、仕様書、造形コード、出力先を一つの案件として参照しやすくなりました。本記事では、得意な範囲の見極めから作成、検査、修正までを順に解説します。


結論powered by Claude

Codexで3Dモデル制作を進める要点は、Codexを造形ソフトそのものではなく、Blender Pythonを書くコーディングエージェントとして使うことです。寸法、原点、オブジェクト名、出力形式を決めれば、再現可能な形状生成と検査を同じコードで管理できます。

最初から複雑な人物や有機形状を狙うより、ケース、治具、棚、パネル、配置図など、寸法で説明できる対象から始めます。仕様書を基準にして、最小形状を作る段階と、面取りや材質を加える段階を分けると、どの変更で崩れたかを見つけやすくなります。

完成判定は、画像がそれらしく見えることだけでは足りません。寸法、単位、原点、面の閉じ方、オブジェクト名、書き出し形式を機械的に確かめ、最後にBlender上で形と用途を人が確認します。数値検査と目視確認を分けることが、使える3Dデータに仕上げる近道です。

目次 (25)

Codexで3Dモデルを作るとは何を任せることか

Codexは、3D形状を表示して粘土のように直接編集する専用ソフトではありません。リポジトリ内の仕様や既存コードを読み、必要なファイルを作り、実行結果を確かめながら修正するコーディングエージェントです。したがって3D制作では、BlenderのPython APIを使って形状、配置、材質、カメラ、書き出し処理を記述する役割に向きます。OpenAIもCodexを、機能構築、複雑な修正、移行、テスト、コードレビューまで一連の作業を扱うエージェントとして説明しています(出典: OpenAI「Codex」)。

この位置づけを理解すると、「車の3Dモデルを作って」のような広すぎる依頼を避けられます。「全長120mm、幅60mm、高さ35mmの簡略車体を、Body、Wheel_FLの命名で作る」のように、コードへ変換できる条件を渡すのが基本です。Codexが得意なのは、決めた条件を何度でも同じ形で再現し、寸法や名前を検査できる状態へ整えることです。

直接造形ではなくBlenderの操作をコードにする

BlenderにはPythonインタープリターが組み込まれ、bpymathutilsから内部データ、クラス、機能へアクセスできます。公式のAPI概要でも、画面部品、読み込みと書き出し、シーン操作、独自ツールの作成などが代表的な用途として挙げられています(出典: Blender Python API「API Overview」)。Codexには、この公開仕様に沿うコードを書かせ、Blender側で結果を読み込んで確認します。

寸法で説明できる形状ほど相性がよい

収納トレー、電子工作用ケース、家具の簡略配置、看板、治具、ゲーム用の低ポリゴン小物などは、幅、高さ、厚み、角度、個数で条件を表せます。数値をコードへ落としやすく、修正前後の差も測れるため、Codexとの相性が良い対象です。同じ部品を間隔違いで並べる、複数サイズを作る、指定名で書き出すといった反復も、手作業より条件を保ちやすくなります。

有機形状と最終的な美しさは人が判断する

人物の表情、生き物の筋肉、布の自然なしわ、製品らしい微妙な曲面は、寸法だけでは正解を定義しにくい領域です。コードで下地を作ることはできても、用途に合う美しさや触り心地までは自動的に保証されません。Codexには左右対称の下地、部品名の整理、書き出し前の検査を任せ、彫刻的な調整や最終承認はBlenderを操作できる担当者が行うのが安全です。

2026年7月の更新で3D案件をまとめやすくなった

OpenAIは2026年7月23日、ChatGPTデスクトップアプリのローカルプロジェクトに、関連する複数フォルダーを追加できる機能を公開しました。主フォルダーを一つ選び、副フォルダーは検索、読み取り、編集に利用できます(出典: Codex changelog)。3D案件では、造形コード、設計メモ、共通部品が別の場所に分かれやすいため、必要な範囲だけを一つの案件へ関連付けられる点が実用的です。

ただし、参照先を増やすほど良いわけではありません。今回の合格条件がある場所を主フォルダーにし、直接必要な資料だけを副フォルダーにします。造形コードを直すならコード側を主にし、共通寸法表や参考部品を副として加えます。古い案や別製品のデータまで含めると、どれが正しい寸法か判断しにくくなるため、参照理由を説明できる範囲へ絞ることが大切です。

主フォルダーには造形コードと検査コードを置く

主フォルダーには、形状を作るPython、寸法を確認するPython、実行方法を書いた説明、検査で使う小さなサンプルを置きます。変更と合格条件が同じ場所にあるため、Codexは何を直し、どの結果を確認すればよいかを追いやすくなります。.blendファイルは大きくなりやすいので、必要な基準ファイルだけを残し、試行中の出力は専用の出力先へ分けます。

副フォルダーは用途が明確な資料だけに絞る

副フォルダーには、承認済みの寸法表、ロゴや材質の参照、共通部品の定義などを置きます。「念のため」で過去案件全体を見せると、似た名前の古い部品や廃止済み寸法を選ぶおそれがあります。Codexへの依頼には、「この資料は外形寸法だけを参照する」「この部品は変更せず配置だけ使う」のように、各フォルダーの用途と変更可否を一文で添えます。

CodexとBlenderで3Dモデルを作る手順

最初の一体は、複雑な完成品ではなく、幅、奥行き、高さ、厚みで説明できる収納トレーがおすすめです。仕様を文章で固定し、単純な箱を組み合わせて外形を作り、寸法検査を通してから面取りや材質へ進みます。ここでは、仕様書、造形コード、Blenderでの実行、検査の順に進めます。各段階の成果を残すことで、形が崩れたときに原因となった変更を絞れます。先に基準を固定すれば、修正の良し悪しも数値で比較できます。

Step 1: 寸法と完成条件を仕様書にする

最初に、外形120×80×20mm、底厚2.4mm、壁厚2.4mm、原点は底面中央、単位はミリメートル、部品名はTray_BaseTray_Wall_*、という条件を書きます。用途が3Dプリントなら、閉じた面であること、部品同士が不用意に重ならないこと、STLで書き出せることも完成条件に加えます。参考画像は形の方向性を示す資料とし、数値が食い違う場合は仕様書を優先すると明記します。

Step 2: 最小形状を作るPythonを依頼する

次に、装飾を入れず、底板と四つの壁だけを作るコードを依頼します。Codexには対象Blender版、使えるAPI、作成するオブジェクト名、単位変換、保存先を伝えます。以下のように、ミリメートルをメートルへ変換する関数を一つにまとめると、値の扱いがそろいます。面取り、材質、文字はこの段階で加えず、まず外形寸法が合うことを確認します。

from pathlib import Path
import bpy

WIDTH = 120.0
DEPTH = 80.0
HEIGHT = 20.0
THICKNESS = 2.4


def mm(value):
    return value / 1000.0


def add_box(name, size_mm, location_mm):
    bpy.ops.mesh.primitive_cube_add(
        location=tuple(mm(value) for value in location_mm)
    )
    obj = bpy.context.object
    obj.name = name
    obj.dimensions = tuple(mm(value) for value in size_mm)
    bpy.ops.object.transform_apply(location=False, rotation=False, scale=True)
    return obj


bpy.ops.object.select_all(action="SELECT")
bpy.ops.object.delete(use_global=False)

scene = bpy.context.scene
scene.unit_settings.system = "METRIC"
scene.unit_settings.length_unit = "MILLIMETERS"

add_box(
    "Tray_Base",
    (WIDTH, DEPTH, THICKNESS),
    (0, 0, THICKNESS / 2),
)
add_box(
    "Tray_Wall_Left",
    (THICKNESS, DEPTH, HEIGHT),
    (-(WIDTH - THICKNESS) / 2, 0, HEIGHT / 2),
)
add_box(
    "Tray_Wall_Right",
    (THICKNESS, DEPTH, HEIGHT),
    ((WIDTH - THICKNESS) / 2, 0, HEIGHT / 2),
)
add_box(
    "Tray_Wall_Front",
    (WIDTH - 2 * THICKNESS, THICKNESS, HEIGHT),
    (0, -(DEPTH - THICKNESS) / 2, HEIGHT / 2),
)
add_box(
    "Tray_Wall_Back",
    (WIDTH - 2 * THICKNESS, THICKNESS, HEIGHT),
    (0, (DEPTH - THICKNESS) / 2, HEIGHT / 2),
)

output = Path.cwd() / "blender" / "tray.blend"
output.parent.mkdir(parents=True, exist_ok=True)
bpy.ops.wm.save_as_mainfile(filepath=str(output))

Step 3: Blenderでコードを実行して保存する

BlenderのScripting画面でコードを開き、まず画面上で実行します。五つの部品が作られ、底面中央が原点になり、各オブジェクトのScaleが1になっているかを確認します。画面を開かずに確認したい場合は、Blender公式マニュアルが案内する--background--pythonを組み合わせられます(出典: Blender Manual「Command Line Arguments」)。最初は画面で動きを見てから、同じコードをコマンドで確かめる方が原因を追いやすくなります。

blender --background --python scripts/build_tray.py

Step 4: 寸法検査を通してから装飾を加える

保存したファイルを開き、全体の幅、奥行き、高さ、壁厚、部品名、Scaleを検査します。数値が合ってから、角の面取り、材質、色、ロゴなどを別の変更として追加します。一度に仕上げまで進めると、寸法ずれと見た目の問題が混ざります。各変更の前に基準ファイルを複製し、「外形合格」「面取り合格」のように確認地点を分けると、戻す範囲が明確になります。

3Dモデルの品質を数値と目視で確かめる

3Dモデルの検査は、コードだけで判定できる項目と、人が画面で見る項目に分けます。寸法、単位、名前、面の状態、出力ファイルの有無は数値や真偽で確認できます。一方、輪郭の自然さ、角の印象、持ちやすさ、意図した光の当たり方は目視が必要です。Codexに検査コードを作らせるときも、すべてを一つの合否へ押し込まず、機械的な結果と人の確認欄を分けて出すよう依頼します。両方の記録を残すと再確認もしやすくなります。

寸法・単位・原点を先に確認する

単位の取り違えは、画面では形が見えていても、書き出し後に1000倍または1000分の1になる原因です。シーンの単位設定だけでなく、各オブジェクトの実寸、原点位置、Scaleが1かを確認します。左右対称の部品は中心からの距離も比較します。許容差がある場合は、「120mmちょうど」ではなく「119.9〜120.1mm」のように範囲で判定すると、浮動小数点のわずかな差で失敗しにくくなります。

面の閉じ方と部品の重なりを確認する

3Dプリントや物理計算に使う形状は、穴の開いた面、重複頂点、裏返った法線、厚みのない面が問題になります。Blenderの検査機能で非多様体部分を探し、必要に応じて各メッシュが閉じているかをPythonでも確認します。底板と壁を別部品のまま使うのか、一体化するのかは用途で変わるため、Codexに勝手に結合させず、完成条件へ明記します。外観用なら別部品、印刷用なら一体化が必要になる場合があります。

正面・側面・斜めの三方向で目視する

透視表示だけでは、壁の傾きや左右差を見落とすことがあります。正面、側面、上面の平行投影で寸法感を確かめ、最後に斜めから全体の印象を見ます。薄い部品は裏側も確認し、カメラの外に不要な物体が残っていないかをOutlinerで探します。Codexへ画像を渡して違和感の候補を挙げさせることはできますが、用途に合う形か、製造可能か、ブランド表現として適切かは担当者が判断します。

書き出したファイルを別に開いて確認する

Blender内で正しく見えても、STL、OBJ、glTFへ書き出すと、材質、階層、軸、単位の扱いが変わる場合があります。書き出したファイルを新しい空のシーンへ読み戻し、寸法、向き、部品数、材質名を再確認します。元のシーンを見たまま合格にせず、納品形式そのものを検査対象にすることが重要です。ファイル容量が極端に増えていないかも見ると、不要な細分化や複製を発見できます。

Codexへの依頼文は入力・変更・合格条件を分ける

3D制作の依頼では、「何を作るか」だけでなく、「何を参照し、どのファイルを変更し、何で合格とするか」を分けて伝えます。対象Blender版、単位、座標系、命名規則、保存先、書き出し形式が欠けると、見た目は似ていても再利用しにくい結果になります。既存ファイルを使う場合は、変更してよいオブジェクトと保持するオブジェクトを明示し、最初の依頼では小さな形状と検査結果だけを求めます。

最初の依頼では完成品より小さな合格点を作る

最初から材質や照明まで求めず、外形、名前、単位、保存の四点を合格条件にします。Codexには、変更予定のファイル一覧を先に示し、造形コードと検査コードを分けて作るよう依頼すると確認しやすくなります。次のように、入力、作業、合格条件、変更禁止を見出しで分ければ、資料の役割を誤解しにくくなります。

目的:
Blender 5.2で、外形120×80×20mmの収納トレーを作る。

入力:
brief/model-spec.md の寸法を正とする。

作業:
scripts/build_tray.py に底板と四つの壁を作る処理を書く。
scripts/check_tray.py に寸法、単位、名前、Scaleの検査を書く。

合格条件:
指定した五つのオブジェクトが存在する。
外形寸法が許容差0.1mm以内である。
blender/tray.blend を保存できる。

変更禁止:
brief/model-spec.md と reference/ 以下は編集しない。

修正依頼では見た目ではなく差分を数値で伝える

「もう少し丸く」だけでは、人とCodexで丸さの基準がずれます。「外周の縦辺だけに半径3mmの面取りを加える」「底面の辺は変更しない」「全幅120mmを維持する」のように、対象、値、保持条件を伝えます。修正後には、変更したオブジェクト名、変わった寸法、検査結果を報告させます。数値で表しにくい見た目は、画像へ注記を付け、どの範囲をどう見せたいかを補足します。

Codexで3Dモデルを作るときの失敗と対処

失敗の多くは、Pythonの文法より、仕様の曖昧さと確認順の混在から起こります。単位が書かれていない、参考画像と寸法表の優先順位がない、既存オブジェクトの変更可否が不明、完成形式を確認していない、といった状態です。Codexが動くコードを返しても、用途に合うデータとは限りません。入力の基準を一つ決め、最小形状、数値検査、目視、書き出し確認の順を守ると、手戻りを小さくできます。

Blender版の違いでAPIが合わない

Blenderの版が変わると、使える機能、引数、標準の挙動が変わる場合があります。依頼文に対象版を書き、公式APIの同じ版を参照させます。別の環境で作られたコードを使うときは、いきなり本番ファイルへ適用せず、立方体一つの小さなシーンで読み込み、警告とエラーを確認します。非推奨の呼び出しが見つかったら、動いているから残すのではなく、公式資料に沿う形へ直します。

既存シーンを消してしまう

サンプルコードでは、開始時に全オブジェクトを削除すると分かりやすい一方、既存案件で同じ処理を使うと、カメラ、照明、基準部品まで失うおそれがあります。新しいファイルだけで削除を許可し、既存シーンでは専用コレクション内の対象だけを更新します。実行前に別名で保存し、削除対象の名前を一覧表示させてから進めれば、誤った範囲への変更を避けやすくなります。

見た目だけで完成と判断する

画面上でトレーらしく見えても、壁厚が0.24mm、Scaleが未適用、原点が遠方、不要物が非表示で残っていることがあります。見た目の確認前に、寸法と構造の検査結果を保存します。その後、三方向の画像と書き出し後の読み戻し結果を確認します。完成報告には、使用したBlender版、出力形式、主要寸法、検査で残った警告を含めると、次の担当者が再確認しやすくなります。

Codexと3Dモデル制作は再現できる小さな形から始める

Codexで3Dモデルを作る価値は、一度だけ見栄えのよい画像を得ることではなく、仕様から同じ形状を再現し、変更のたびに寸法と構造を確かめられる点にあります。Blender Pythonで説明できるケース、治具、配置、小物から始め、最小形状を合格させてから面取り、材質、書き出しへ進みましょう。2026年7月の複数フォルダー対応も、造形コードと必要な資料を関連付ける用途では役立ちますが、参照範囲と優先資料を決めることが前提です。

Codexは、コード作成、ファイル整理、数値検査、修正差分の説明を支援できます。一方、造形の美しさ、製造方法への適合、安全性、権利確認、最終的な用途判断は人が担います。まずは寸法を五つ程度に絞った小さなモデルを一つ作り、Blender上の目視と書き出し後の再確認まで完了させてください。その一連の確認を基準として残すことが、より複雑な3D制作へ広げるための確かな土台になります。

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